インターナショナル・フォスターケア・アライアンス

アメリカ児童虐待防止学会(APSAC)年次会議に参加して

私は2015年7月24日から25日にかけて、ボストンで開催された第23回アメリカ児童虐待防止学会(APSAC)年次大会に参加しました。精神科医や心理士、学者、研究者など、様々な専門家の方々が全米から参集され、興味深いワークショップや講演が行われていました。

私はIFCAの日米両国のチームから3名を伴って参加し、”フォスタリング・ウェルビーイング:フォスターケアにいた若者たちの視点”という題でワークショップを開きました。ワークショップでは、フォスターユースに対するメンタルヘルス・サービス向上の重要性について話しました。共に登壇したモニカ・フィッツジェラルド博士とシャノン・セルフ=ブラウン博士はプロフェッショナルの視点からかかるテーマについてご講演いただきました。

私たち4人は自分達の生い立ちや児童養護のもとでの経験を話し、メンタルヘルスのサポートがどのように私達の人生にインパクトを与えたか、又は与えるべきだったかについて訴えました。私達自身の経験を元に、メンタル・サポートの良い例と悪い例についても具体例を挙げて話しました。メンタルヘルスの専門家(例えば精神科医・心理士など)からフォスターユースにただ一方通行で対応するのではなく、治療のフィードバックを与えたり、メンタルな問題とどう上手く付き合うか、そしてメンタル面の充実がいかに重要なことかを教えてあげることが、措置中・措置解除後に関わらず非常に有効であることを強調しました。

初め、私はアメリカ中から集まった高名な専門家の方々の前で話すということにとても緊張していました。スピーチをしている最中は殆どずっと手に握り締めた原稿に目を落としていた為、観客の皆様の反応を窺うことも出来ませんでした。

ですがその後、観客の皆様とお話しする機会が与えられました。私のスピーチをとても良く褒めて下さり、充実感で胸がいっぱいになりました。7月初めに日本からアメリカへ移ってから、最も誇らしい瞬間の一つだったと思います。(まだアメリカに来て1ヶ月と少ししか経っていませんが。)

APSACの年次大会でワークショップを開けたことはとても光栄であり、APSAC理事長であるフランク・ヴァンデルヴォルト様のご高配によるこの機会の実現、又来年の全米児童トラウマ・ストレスネットワーク会議に招待して下さったことを衷心より深く御礼申し上げます。

又、共に登壇したモニカ・フィッツジェラルド博士とシャノン・セルフ=ブラウン博士にも深く感謝申し上げます。お二方の手助けがなければ、このワークショップを成功に導くことは出来なかったでしょう。

IFCAの3つのコアプログラムの一つとして、我々ユースチームは支援をして下さる大人の方々(サポーティブアダルト)、特にプロフェッショナルの方々とこれからも共に協働して参ります。フォスターユースの権利擁護を目指すグローバルな活動に関わっていき続けることを楽しみにしています。

APSAC1
APSAC2