児童福祉の仕事に携わる人たち


児童福祉のプロフェッショナルのための、国際的なプログラムの普及活動

白川美也子先生と水島栄先生

IFCAの目標のひとつは、日米の児童福祉のリソース(資源)の中から、子どもや養育者に最上の結果をもたらす治療法やプログラムを広めてゆくことです。そのために、IFCAは現在まで、日本とアメリカのソーシャルワーカーや臨床心理士など、児童福祉にたずさわる専門職の人たちがお互いに知恵を出し合い、協働できる環境をつくってきました。

この「プロフェッショナル」というページからは、IFCAの現在進行中のプロジェクトについて詳しい情報を得ることができます。数多い子どもや実親たちのためのプログラムのなかから、私たちがなぜ、特定のプログラムを選んだか、という理由や、日米の児童福祉やメンタルヘルス・ケアの現状も説明しています。


TF-CBTについて

【トラウマフォーカスト認知行動療法(TF-CBT)のトレイナーを米国から日本に招聘する事業】

モニカ・フィッツジェラルド先生と受講者の方たち

IFCAが2012年7月に設立した後の最初のプロジェクトは、トラウマフォーカスト認知行動療法(TF-CBT)の専門トレーナーを米国から日本に招聘する事業でした。

TF-CBTは、アメリカで開発され、臨床実験でその成果が認められた、3歳から18歳までの子どもと保護者のための画期的なトラウマ治療法です。

IFCA団体設立当初からTFーCBT事業を推進してきたのは、精神科医の白川美也子先生です。現在では、IFCAの臨床ディレクターを務める白川先生が、このトラウマ治療法について以下のように解説しています。

TFーCBT(トラウマフォーカスト認知行動療法)は,トラウマを受けた子どもと思春期児童,養育者のために作成された治療パッケージで,子どものトラウマ性疾患を対象にしたランダム化比較試験によって薬物療法や子ども中心療法などよりも有効的であることが示された,既にエビデンスの得られた治療法です。

PRACTICE*の頭文字で示される構成要素のなかで学ばれる重要スキルと段階的エクスポージャーを車の両輪として,治療者と親子の間に信頼ある治療関係が築かれていくことが回復の土台となり,その究極のゴールは「支持的でスキルある養育者の導きと補助によって子どもがより健康的な発達の軌道に乗って前に進んでいくことを補助すること」だと述べられています。

TF-CBTではアタッチメント理論・発達的神経生物学・家族療法・エンパワメント療法・人道主義的理論モデル療法など複数の治療モデルがトラウマを受けた子どもと親のために柔軟に組み合わされており,その本質はトラウマによる反応を安全に乗り越えるためのスキル形成と段階的エクスポージャー(Gradual-Exposure)が車の両輪のように機能し,子どもが自らの課題に立ち向かい乗り越えていく力を養うものです。そのため治療効果は長く続く確認されています。


TF-CBT関連記事

上記の説明の中の、”PRACTICE”についてなど、TF-CBTの基礎知識をはじめ、関連記事をお探しの方は、下記よりご覧ください。